ネパールにおけるグラウンド整備構想について

2016年10月30日
NPO法人ネパール野球ラリグラスの会

1.始めに

当会は1999年の活動開始以来、ネパールの青少年を中心に野球を通じた国際交流を行っています。先日放送されたNHK−BS1「世界はTokyoをめざす」の番組中でも紹介されましたが、現在、ネパールの野球関係者の間では、野球のグラウンドを整備したいとの構想を持っております。この構想の実現により、ネパール初となる野球のグラウンンドが完成すれば、ネパール野球の大きな発展に繋がることとなります。当会といたしましても、この計画を支援してまいろうと考えております。具体的な計画は現在検討中ですが、計画の立案にあたり、皆様に当構想についてご説明申し上げたいと思います。

2.計画の経緯、目的

(1)背景

ネパールでは学校のグラウンド等で野球を行なっておりますが、狭く凸凹で囲いも無く、人や牛が通るなど、安心して野球ができる環境ではありません。当会はこれまで約18年に渡り、ネパールでの野球普及活動を続けてまいりましたが、現地で野球を広める上で、グラウンドが無いことがその妨げのひとつとなっています。

(2)現状・課題

ネパールにはグラウンドに適した広い土地が少なく、子どもたちが安心して遊べる場所が少ないことがネパールにおいてスポーツが発展しない原因のひとつとなっています。また、娯楽も少なく、建設資金面にも課題が有ります。しかしながら、ネパールにおいて安心して野球ができるグラウンドを作ることは、ネパール野球の関係者にとっての悲願であります。

(3)目的

ネパールにおいてグラウンドを整備すること。グラウンドが整備されれば、そのグラウンドを拠点として、選手の技術向上、野球大会の開催、国外指導者の招聘等、活動の幅が広がり、ネパール野球の発展につなげることができると考えられます。また、ネパールのみならず、主に西アジア地域の野球発展に貢献できることにもなります。

(4)補足

ネパールでは昨年4月24日に大地震が発生し、野球少年を含めて多くの人たちが被災するとともに、現在野球を行っている場所にも被害が出ております。しかし、被災した野球少年たちは野球をすることで、震災のつらさを乗り越えてまいりました。

また現在、日本には約6万人のネパール人が住んでおります。ネパールにグラウンドを作ることで、彼らを通じ、日本とネパールの架け橋としたいとも考えております。

(5)スポンサー募集、講演活動  グラウンドを整備するためのスポンサーを幅広く募集いたします。また、当会の活動やグラウンド整備構想に関する講演の依頼も承っております。

3.構想の概要

(1)場所

バルバドラ・セカンダリー・スクール(ポカラ市)のグラウンド

同校のグラウンドはネパールにおける当会の野球交流活動の拠点です。このグラウンドでは、朝夕に子どもたちが野球の練習を行っています。本計画では、このグラウンドを改修して使用する予定です。

(2)グラウンドの仕様

国際試合ができる広さの基準を満たすことは必要ではありますが、本格的な野球場というよりは、他の競技でも利用できたり、子どもたちが安心して遊べる多目的運動広場のようなものの建設を目指しています。多目的広場にすることにより、野球のみならずネパールのスポーツの発展にもつなげることができると考えております。また、この多目的グラウンドは災害時の避難場所として活用できます。

(3)施工内容

グラウンドの整地、周囲フェンス、ダッグアウト、バックネット等

*バルバドラ・セカンダリー・スクールのグラウンドだけでは十分な広さが無いので、隣接する農地もグラウンドに転用いたします。

(3)費用

2012年にネパールにおいて現地の関係者によるグラウンド建設のための調査が行われてはおりますが、その後の物価上昇や為替の変動等の影響により現地の経済状況は大きく変動しております。具体的な建設費は今後の調査を踏まえ、改めて算出いたします。

4.参考

バルバドラ・セカンダリ・スクールのグラウンド