ネパールにおけるグラウンド建設

総括

長らく進めてまいりましたネパールにおけるグラウンド建設は2018年9月15日の開所式をもって完了いたしました。以下、これまでの経緯を総括いたします。

1.当初計画

今般のグラウンド建設に関しましては、当初、当会の活動の原点であるポカラのバルバドラ・セカンダリ・スクールでの建設を予定しており、昨年12月には関係者の間で建設に向けて合意文書への調印もなされました。しかしながら、その後、政治的な問題などネパール側に予期せぬ問題が発生し、ポカラでの建設を断念いたしました。

2.計画の変更

ポカラでの建設は断念いたしましたが、現地ではグラウンドを建設したいとの思いが強く、現地の関係者との協議の結果、建設場所をラリトプールのシリクール・スクールの土地に変更し建設を進めることといたしました。

施工初期

新たな建設場所の決定にあたっては、広さ、工期、工事の現実性といった客観的要素に加え、同校のスポーツ部門のコーディネーターでラリトプール野球ソフトボール協会の代表者であるケシャブ・タパ氏の存在が決め手となりました。同氏は野球を始めとしたネパールのスポーツ発展に熱心に取り組んでいる人物であり、関係者には、そういった人物のいる場所で作りたいとの思いがございました。計画の変更に伴い、グラウンドの規模は当初の計画より大幅に縮小されましたが、練習場として利用できる広さはあり、当初の目的である野球を始めとしたスポーツが安全に行え、災害時には避難場所として活用できる多目的グラウンドには適うものにはなっております。

3.建設工事、開所式

ブルドーザーによる整地

レンが塀の設置

4月に始まったラリトプールでの建設工事は、その後、長雨などの困難もございましたが、レンガ塀の設置やブルドーザーによる整地等の工程を経て、無事に終了。名称も「シリクール・ラリグラス・フィールド」と決まり、9月15日には開所式が行われました。

開所式には駐ネパール日本大使の西郷正道氏、元大臣のパムパ・ブサル氏らの来賓にご臨席いただいたほか、野球の選手や協会関係者、シリクール校の生徒など約600名が参加いたしました。式典では、来賓による挨拶のほか、子どもたちによる踊りの披露、西郷大使とネパール野球ソフトボール協会のアシット・ラナ会長による始球式などが行われ、新しいグラウンドの開所が盛大に祝われました。開所式の後は、子どもたちによる試合も行われました。

開所式後の試合

開所式の参加者

開所式



4.今後の展望

グラウンドの存在を周知したり、イベントを行うなどして、多くの人々に利用してもらうことにより、本事業の目標であるネパールのスポーツ発展へと繋げてまいります。また、本事業では当初、ポカラ市に国際試合もできる広さのグラウンドを作る計画でしたが、ネパール側に予期せぬ政治的な問題が発生し、建設地の変更と規模の縮小を余儀なくされました。今後、ネパール野球の発展に伴い新たなグラウンド建設が行われる場合には、今回の経験を踏まえて慎重に事業を進めてまいります。

バッティングケージ

グラウンド名のバナー

グラウンド全景